道の駅童謡のふる里おおとねの近く、「アスタホール」に込められた言葉遊び

2026年9月25日公開

「笹の葉さらさら」で始まる「たなばたさま」を、多くの人が一度は歌ったことがあります。ただ、誰が作曲したかまで知っている人は多くありません。作曲したのは下總皖一(しもおさ かんいち)という人物で、道の駅童謡のふる里おおとねがある埼玉県加須市大利根地区の出身です。道の駅の敷地には下總皖一の銅像があり、隣接する文化施設「アスタホール」の名前にも、彼の代表曲にちなんだ言葉遊びが込められています。

「たなばたさま」を作曲した下總皖一

農産物直売所「農業創生センター」の入口です。屋根の下に「童謡のふる里おおとね」の看板が掲げられています。

加須市公式サイトによると、下總皖一は1898年、埼玉県北埼玉郡原道村大字砂原(現在の加須市大利根地区)に生まれました。東京音楽学校を首席で卒業し、ドイツに留学してパウル・ヒンデミットに師事しています。帰国後は東京音楽学校(現在の東京藝術大学)で教え、1956年には音楽学部長を務めました。作曲したのは「たなばたさま」だけでなく「花火」「野菊」「ほたる」なども含め、生涯で2,000曲から3,000曲にのぼります。

道の駅の敷地に立つ下總皖一の銅像です。台座には解説板が添えられています。

加須市が所蔵する、自筆楽譜1,083曲

加須市は、下總皖一の遺族から寄贈された自筆楽譜を所蔵しています。内訳は歌唱曲472曲、校歌等542曲、器楽曲69曲で、合計1,083曲です。加須市の公式サイトでは、この規模のコレクションについて「世界一ではないか」としています。楽譜の一部(レプリカ)は大利根文化・学習センター「アスタホール」で常時展示されており、館内には下總皖一が作曲した童謡26曲の合唱が流れています。

「アスタホール」に込められた言葉遊び

道の駅童謡のふる里おおとねに隣接するこのアスタホールという施設名は、下總皖一の代表曲のひとつ「野菊」にちなんでいます。加須市の公式サイトによると、「アスタ」は英語で野菊を意味する「アスター(ASTER)」と、スペイン語で「また明日」を意味する「アスタ・マニアーナ(hasta mañana)」の両方から取られた名前です。「野菊」と「また明日もここで会いましょう」という、二つの意味を重ねています。道の駅の直売所で売られている「野菊まんじゅう」も、この「野菊」にちなむとされています。

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